ストーリー
― 新規プロジェクト立ち上げから発売までのお話 -
2020年4月 新型コロナウィルスの発生により、世間では誰もが経験したことがない慌ただしい動きがおきているころ、社内の現場スタッフ数名で構成した新規プロジェクトが発足しました。
商品企画や販売企画の経験がないスタッフが集まって行われた「キックオフ会議」では、当然ですが具体的な企画など出てきません。これから何をしようか?世界がアット驚くことをしたいね!そんな漠然とした会話ばかり、そして会議の時間がいたずらに過ぎていきました。
会議の終盤、うちの会社は今まで美術品にかかわる仕事をやってきたのだから、新しい事業もアートから離れてはいけない。そんな強い思いを代表 谷口はスタッフに伝えました。
話は前後しますが、当社は美術館などへの美術品の展示撤去等を請け負う会社です。でも、美術館に美術品を飾るのと、アート商品を企画して販売するのとでは勝手が違いすぎます。
それでもアートへの熱い思いがある代表 谷口は、ある案を思いつきました。インターネットを介して世に出ていない美術作家のオンリーワンの個性的なアート作品を譲り受け、個性的なオンリーワンのアート作品を購入したい顧客に販売する。コロナ禍において美術作家の生計にも貢献できるし、アート作品を購入する顧客にも社会貢献を実感してもらえる。そのような新規事業を育てて行きたい。この時やるべき方向性が決まりました。
さらに、代表 谷口はアート作品の売買だけではインパクトが薄い、アート作品を飾れる個性的な額の製作が出来ないだろうか。また、アート作品をギフト用途で購入する顧客用に額と一体化したギフトボックスが出来ないだろうか。そんな思いを抱き試行錯誤の末に行きついたのが大分県の国東市にある、とある会社でした。
その会社は国東時間株式会社という社名でした。なんとのどかな会社名でしょう。代表 谷口から、同社の代表取締役 松岡勇樹氏に電話で連絡をとり、企画の趣旨を話し賛同を得られたため、代表 谷口と数名のスタッフで松岡氏を訪問することにしました。その会社は廃校になった小学校をオフィスとギャラリーにしていました。松岡氏が設計した商品を見学していたところ、ワインのボトルを収納できるギフトケースや蜂蜜のビンを収納できる蜂の形をしたギフトケースを見つけました。それらの商品は1998年、松岡氏が開発したFLATS(フラッツ)の手法を用い設計れていました。
https://kunisakitime.com http://www.wtv.co.jp
この設計方法を用いる松岡氏なら、アート作品を飾れる個性的な額やギフトボックスが出来るかもしれない。そう思った代表 谷口は松岡氏に額の設計を依頼することにしました。
東京に戻り額のイメージデザインについて打ち合わせをしていたとき、一つの意見が飛び出しました。アルコール消毒液のボトルをいろいろな場所で見かけるが、ケースに収納された消毒ボトルは見たことがない。松岡氏の設計で消毒ボトルのケースを製作することはできないだろうか。この意見にスタッフ一同が賛同し、この企画が最優先されることになりました。そして、松岡氏の賛同を得て商品化することが決定しました。
アルコール消毒ボトルケースの商品開発のコンセプトは、ひとつのアート作品を大切に作るアート作家の気持ちにならい商品を企画すること。そして出来上がった消毒ボトルケースは、購入していただいたお客様の大切な人をおもてなしする。もちろんご自身を含めて。アルコール消毒は義務ではなく楽しむものにしたい。日常の生活の中でアート商品が新型コロナウィルス対策の主役になる。まさにアートがいろいろな場所で活躍できるチャンスでもあります。
アルコール消毒ボトルケースのモチーフは何にしたら良いのか。コロナ禍の時代において、開運、幸運をもたらすモチーフが相応しいと考え「ふくろう」と「招き猫」に最終決定しました。「ふくろう」は福来、福朗、福老、福籠、不苦労、富久老などの当て字で表現される事もあり、どの当て字にも幸せな意味が込められています。そして、右手を上げている招き猫は夢をもって金運を招く。左手を上げている招き猫は愛情豊かに人運を招く。そんな幸運をもたらすモチーフたちの力を借りてコロナ感染者減少への貢献が少しで出来るかもしれません。
そして、遅ればせながら新規プロジェクトの事業部名を付けることになりました。英語があまり得意ではない代表 谷口が印象に残っている英単語は「PERHAPS」日本語で「たぶん」という意味です。あいまいな表現のようですが、世の中には絶対はありません。今の不安な時代を象徴した言葉でありながら軽妙で響きがいい単語なので、新規プロジェクトを管轄する部署名はPERHAPS事業部に決定しました。
次にアルコール消毒のボトルを収納するケースの名前は何がふさわしいだろう。メンバーから、いろいろな名前が上がるものの決め手に欠ける。大切な人をウィルスの脅威から守ること。すなわち自分がウィルスに感染しては大切な人を守れない。そうだ、ご自愛だ。コロナ禍において自分の身体を大切にすること、それは大切な人を守ることにつながる。そしてこの商品の名前は代表 谷口の思いを込めて「GOJIAI」に決定しました。
紆余曲折がありながらも、商品の設計製造が完了し2020年12月18日 アルコール消毒ボトルケース「GOJIAI」は発売されました。
2022年 初頭、新型コロナウィルスは終息するどころか変異株が猛威を振るっています。忘れかけていた手指のアルコール消毒は、これからの日常の当たり前にしなくてはなりません。手指の消毒をポジティブに!をスローガンに企画されたGOJIAIですが、おかげさまで発売から1年が過ぎました。これからもGOJIAIはみなさまの手指の消毒をお手伝いします。
「GOJIAI」は進化してまいります。